Dr.ちゅり男のインデックス投資 

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株式のフェアバリューを判断するのは難しい

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おはようございます。

株式の価格形成には、その商品の信頼度、本質的価値、人気など様々な要素が反映されます。

よって、バリュエーションが適正な水準かどうか、つまりフェアバリューにあるかどうかの判断というのは非常に難しいです。

市場効率性が高まるほど、本当に良い商品というのは人気が出て割高になりやすく、そういった商品が不当に安く放置されるチャンスは少なくなります。

逆に、一見割安にみえる株には、その裏に安値で放置されるだけのネガティブな材料が隠れていることも多いです。

このあたりの見極めは実は非常に難しいです。

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株式のフェアバリューを判断するのは難しい

高金利の新興国通貨はなぜ危険か

例えば、米国ドルの金利が3%で、トルコリラの金利が5%であったと仮定しましょう。

確かに、金利だけ見ればトルコリラの方が2%有利です。

でも実際にこの状況でトルコリラを買いますか?

私ならば、世界の基軸通貨として極めて安定しており、他に追随するものがない米国ドルを選びます。

ほとんどの方の考えとして、世界最強の通貨米ドルで3%の利回りが得られれば十分となるでしょう。

よって、米国の金利が上がると米ドルでそのリターンが得られればそれでOKという考えが広まりますので、新興国から米国にマネーが退避し、新興国株が痛手を負います。

このように、投資対象の信頼度・本質的価値が異なれば、利回りという同一の尺度でお得度を測ることはできません。

また、新興国通貨の場合、高金利はその国のインフレ率の高さを反映している場合が高く、保有し続ければし続けるほどインフレ率の分、毎年減価していくことになります。

よって、高金利を売りにしている新興国通貨のキャンペーンなどをうかつに掴むと、なかなか抜け出せない泥沼にはまることになります。

 

PERだけで株式の割安・割高を見極めることは不可能

通貨の信頼度・本質的価値が異なれば金利差だけで優劣を論じられないのと同様のことが株式においても言えます。

PERは株式の割安さの目安としてよく使われますが、PERだけで割安・割高をはかることは難しいです。

例えば、米国株のPERとロシア株のPERが同じ15倍だったら、どちらを買うでしょうか。

両国のパワーバランス、人口動態、国の制度、市場効率性などを総合して考えれば、誰もが米国株を買うでしょう。

日常生活で周囲を眺めてみれば至極当然なことですが、

・実力のあるものは人気がある

・実力のないものは人気がない

これは株式の世界でも当てはまります。

こう考えますと、PERだけで割安・割高は判断できないことが分かります。

 

市場は原則効率的であるが、時に大きく外れることもある

市場が真に効率的であれば、常に実力相応の値付けがされるわけですが、必ずしもそうならない所に株式投資の面白さがあります。

元々実力のある企業が人気が出すぎて価格が向上し、実際の実力以上に評価されることはよくあることです。

2018年1月のビットコインの高騰は記憶に新しい所ですが、これはビットコインの本来の実力以上に人気だけが先行しすぎたケースの典型と言えます。

当時の暗号資産市場は市場規模が株式と比べてはるかに小さく、国や運用会社の法整備も未成熟であったことから、本来の実力から上にも下にも大きくずれやすい状況でした。

それを体現するように、ビットコインの価格は230万円から40万円まで落ちたわけですね。

2020年後半〜2021年始めにかけてもビットコインなどの暗号資産のブームが来ましたが、まだまだ値動きの大きさが目立ちますね。

 

フェアバリューの判断は実は大変難しい 

以上を踏まえますと、商品の値付けには様々な要素が複雑に絡み合いますので、その商品がフェアバリューか否かを判断するのは実は非常に難しいことです。

ウォーレン・バフェットの投資方針は、本質的価値が高く長期ホールドに値する銘柄を、不当に安く値付けされている時期に仕入れるものです。

本質的価値よりも安く仕入れられるほど安全域を広く確保することができます。

 

このあたりの詳細を勉強したい方は、ぜひハワードマークス氏の『投資で一番大切な20の教え』を読んでください。 

 

しかし、一般人には今自分が買い付けようとしている商品が本質的価値と比べて割安か否かというのはなかなか分かりません。

特に、株式市場が平常運転をしている時期には正確に見極めるのは至難の業でしょう。

 

いくら優良株でも世界経済全体の不況は避けられない

市場に公開されている株の大半が投げ売りされるような異常事態になれば、いくら超有料銘柄と言えどその影響は避けられません。

本質的価値はさほど目減りしていないにも関わらず、優良銘柄の株価が市場全体の引力に引っ張られるように下がることがあります。

ところが、そういった時期は市場が総悲観に包まれていますので、「こんな時期に株式に投資するなどありえない」といったムードになります。

そういった時期に、「人の行く裏に道あり花の山」を地で行く人間が最終的に大きな利益を上げるわけですが、そのために求められる精神的なタフさは尋常なものではありません。

特別な自信がなければ、ドルコスト平均法でタイミングを計らずに資金を投入し続けるのも一案でしょう。

ただし、その場合も下落相場で積み立て続ける必要はあります。

投信積立をしてあとは完全に忘れて放置するのが最善なのでしょうが、自分のお金のことになりますとなかなか忘れきれないのが難しいところですね。

 

まとめ

株式市場が平常運転している時に本質的価値より割安な株を見つけ出すことはかなり難しいです。

一方、世界規模の経済危機が訪れれば、いかに優良銘柄といえども暴落に巻き込まれざるを得ず、そういう時にチャンスの窓が開きます。

 

【おすすめ投資本】

2018年12月や2020年3月のように、市場全体が暴落している時にまとまった資金を投入できれば、仮にインデックス投資であっても大きな利益を得ることができました。

詳細を勉強したい方は、『市場サイクルを極める』を読みましょう。

 

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個人投資家にできることは、家計管理を徹底し、余剰資金を最大化したうえで、そのお金で株式や債券などの伝統的資産をコツコツ買い付けることでしょう。

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ドルコスト平均はトータルリターンだけみれば最善の手法ではありませんが、心理的な受け入れやすさはありますね。

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今が割安か・割高かの正確な判断は誰にもできませんので、安易にレバレッジをかけるのは危険です。

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