おはようございます。
医学部6年生の学生の方から以下のご質問をいただきました。
はじめまして、医学部の6年生のものです。
このたび医師になってからのお金の扱い方について参考にしたく、ちゅり男さんのブログを見させていただきました。
大変わかりやすく今後ずっと参考にさせていただきたいと思っております。
それで、今回はちゅり男さんに「初期研修医でできるお金の運用方法について」伺いたくこちらから連絡させていただきました。
ちゅり男さんのブログやその他のブログ、少しだけ読んだ本から考えるに、自分でできそうなものと思ったのは、
節税として、ふるさと納税・iDeCo、
資産運用としては種金も少ないので金利の高い定期預金で2年でねかせるとかかなぁと思ったのですが、
なにか他に初期研修医でできるお金の運用法などありましたら教えていただきたいです。
ちゅり男さんのブログでも記載している還元率の高いクレジットカードを使う、HTBエナジーに変えるなどといった節約項目はすでに行っていますので、
どちらかといいますと投資信託・ETFなどそういった投資などに関してできるものがあるのかどうかを一番にお聞きしたいです。
お忙しいところだと思いますが回答いただけると幸いです。
これからもブログ読ませていただきます。
よろしくお願いいたします!
ご質問ありがとうございます。
研修病院にもよると思いますが、私が研修したような都市部の三次救急をやっている中核病院ですと、夜もひっきりなしに患者さんが押し寄せますので、資産形成のことなどまともに考えている暇がないと思います。
空いた時間があれば、研修医仲間と飲みにいってストレス発散した方がよいでしょう。
よって、資産形成に関しては手間がかからないものだけやっておくのが吉と言えます。
初期研修医から実践可能な資産運用は?
ふるさと納税とiDeCoは初期研修医だと効果半減です
ふるさと納税とiDeCoは、はっきり言って所得が高い人の方が有利なシステムです。
都市部で研修するか地方で研修するかにもよると思いますが、初期研修医ですと給与水準がそこまで高くないと思います。
私の記憶では、研修医1年目で手取りが月25万、2年目で月35万くらいでした。
月6〜8回くらいの当直手当を含んでの数字ですので、今冷静になるとよくやっていたなと思います。
さて、ふるさと納税とiDeCoの最大のメリットは、寄附金控除や所得控除によって節税効果が得られることです。
ご存知の通り、所得税は累進課税制度で所得水準が上がるほど税率が上がっていきます。
初期研修医の場合、所得税率は約20%ですので、年収が上がる後期研修医以降と比較すると節税効果は落ちますね。
ただし、ふるさと納税はやっておいて損はないシステムですので、活用しておいて損はないでしょう。
iDeCoはあくまで年金で60歳までは資金が拘束されますので、研修医のうちはストレス解消のために時に羽目を外して遊ぶお金も重要だと思いますから、3年目以降になってからでもよいかもしれません。
つみたてNISAは可能ならば満額拠出しましょう
私が今の時点で研修医になるならば、iDeCoよりもまずつみたてNISAを優先します。
つみたてNISAの枠は年間40万円ですので、初期研修医でも十分に積み立てられる金額です。
また、つみたてNISAの場合はいつでも売却可能で流動性が保たれていますから、節税効果が低いうちはiDeCoよりも使いやすい制度でしょう。
もちろん、つみたてNISAの概念から言えば、20年間売却せずに保有し続けることで複利の効果を得ることがベストですが、いざという時の退路が用意されているかどうかというのは大変重要です。
3年目以降になって、その時点で独身であれば、仕事も多忙でよほど贅沢をしない限りお金は余りますので、その時点でiDeCoを使い始めてもよいかもしれません。
もちろん、実際に初期研修医として勤務し始めてみて、予想以上にお金に余裕があればiDeCoも利用してもよいでしょう。
ETFは確定申告の手間があるので初期研修医にはおすすめしません
海外ETF投資をすると、多くの場合配当金が発生しますが、外国と日本国内で二重課税を受けるため、税金の一部を取り戻すためには確定申告時に外国税額控除の手続きが必要です。
個人的な経験では、三次救急の中核病院で勤務されるならば、わずかなお金を取り戻すために確定申告をしている暇などありません。
仮に時間があったとしても、確定申告のことなど考えたくもないでしょう。
とはいえ、外国税額控除の手続きをしないのであれば、海外ETF投資は税金が余計にとられる分明らかに不利です。
私ならば、手間のかからない国内の投資信託一本に絞ります。
とりあえずオーソドックスに世界分散投資であれば、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)一本に絞ってよいでしょう。
まとめ
私が初期研修医の立場ならば、まずはつみたてNISAとふるさと納税から始めます。
手元資金に余裕があればiDeCoもよいでしょう。
とはいえ、初期研修の頃から資産形成のことばかり考えていても面白くありませんから、ぜひお金を有効に使っていろいろな経験を積んでいただければと思います。
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国試の勉強の合間に読んでおきましょう。
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スマホは生活必需品ですが、通信費をポイントで支払うことで支出を抑えることが可能です。
初期研修医のうちは、可能な範囲でお金を貯めて、余剰資金でeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を購入しておけば十分です。
インデックス投資をこれから始める方向けに書いた記事です。