おはようございます。
株式投資や資産形成が人生を充実させる一助になることは疑いありませんが、お金だけで全ての問題が解決するわけではありません。
日常生活の中で、優れた書籍に触れる時間は大切にしたいものです。
書店のベストセラーコーナーに並んでいるため、すでに読まれた方も多いかと思いますが、本日は『ファクトフルネス』の書評となります。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
【ファクトフルネス】世の中の思い込みを安易に信じず常にファクトを追求しよう
この本の要点は、
1) いかに一般人の世界の見方が思い込みにとらわれているかを明らかにすること
2) データに基づいて世の中を正しく解釈すること
の2点にあります。
一見難しく聞こえますが、冒頭で世の中によくある13の思い込みを紹介し、その思い込みと事実のギャップを一つずつ証明する方式をとっていますので実際には大変読みやすいです。
世界の事実に関する13のクイズを全問正解できる方がいるのか?
本著では、冒頭に世界の事実に関する13のクイズが紹介されます。
主に世界の貧困化率、人口動態、小児の予防接種や教育、電気水道などのインフラに関する問題なのですが、一般人が思い込んでいるよりも世界はずっと良くなっていることがデータに基づいて証明されます。
これらのクイズの正解率が当てずっぽうの確率よりも低く、一部の質問では有識者の方が正解率が低いことをもとに、いかに世の中に思い込みが溢れているかが実証されます。
私ももちろん何問も間違えましたし、皆さんもきっとそうでしょう。
全問正解できる方はほとんどいないのではないかと思います。
世界をマクロ的な視点でとらえる助けになる一冊
どんな分野であっても、全体を理解するためにはマクロ的な視点とミクロ的な視点を組み合わせる必要があります。
世の中がどんどん発達し、様々な分野が細分化されますと、いわゆる「専門バカ」と呼ばれる人たちが大量に生まれます。
決して不勉強なわけではなく、むしろ専門分野に関しては人一倍に勉強熱心なのですが、専門分野以外のことになるとてんてこ舞いということですね。
医療の世界自体が閉鎖社会ですので、我々医師の所に入ってくる情報はどうしても医療に関する情報に偏ってきます。
その中で、医学以外の本に触れること、特に本著のように世界のマクロ的な視点についてまとまった一冊に目を通すことは非常に大きな意味があります。
この本を読むと、いかに自分の学生時代の知識が古くなったままアップデートされていないか、メディアを通じて報道される内容にバイアスがかかっているか驚かされるのは間違いありません。
まとめ
『ファクトフルネス』は世の中がいかに思い込みに溢れているかを実証し、データ・事実に基づいて世の中を正しく理解する方法を教えてくれます。
読んで損はない一冊ですので、時間があればぜひ読んでみて下さい。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
ファクトフルネスと内容が一部重複しますが、最近読んだ本ではスティーブン・ピンカーの『21世紀の啓蒙』が秀逸でした。
こんな記事も書いています。
筋トレの重要性に関しては、以下の本がよくまとまっています。
『金持ち父さん 貧乏父さん』も資産形成に関する王道の一冊です。世の中には喜んで負債を購入している人が多数存在します。