おはようございます。
当ブログの読者の先生から、投信積立の方針に関して以下のご質問をいただきましたので回答させていただきます。
いつも勉強させていただいております。
ちゅり男先生と同様、勤務医をしている者です。
毎年暴利のように取られる税金に辟易し、なんとか自分の資産を増やしたいと四苦八苦している中、先生のブログにたどり着きました。
投資を初めて1年にも満たない初心者ですが、ぜひご意見を伺いたいことがありまして連絡させていただきました。
下記のような状況で投資を行っております。
・30歳代 3人家族
・SBI証券で毎営業日積立 ¥10,000/日 ¥2,500,000/年程度の投資
自分(NISA)妻(つみたてNISA)の枠もフルに活用
基準価額がある程度下がったタイミングで上記とは別にスポットで分割で追加投資の方針
・毎営業日積立の内訳:
すべてeMAXIS Slim
先進国株式 ¥8,000
国内株式TOPIX ¥1,000
新興国株式 ¥1,000
そこで質問させていただきたいのですが、
・海外ETF本家VTと上記eMAXIS Slim自作全世界株(巷ではeMAXIS Slimの自作全世界株と言われているのを見つけ、それを参考に先進国:国内:新興国=8:1:1 の比率としました eMAXIS全世界株よりも手数料が安くなるので自作)では、将来どれだけのリターンの違いがでるのか?気にするほどの差ではないのか?
→注意:当時はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がありませんでした
・先進国:国内:新興国=8:1:1 の比率についてのご意見
・インデックス投資におけるナンピン買いについてのご意見
を是非お聞かせいただければ幸いです。
以前の先生の記事で「長期投資では自分のフィーリングにあったものを…」とあり、そちらも拝見させていただきましたが、将来的に大きくリターンが変わるようであれば海外ETFの買い付けも検討しております(確定申告やドル転などの手間が生じることも承知しておりますが)。
お時間があるときに記事にしていただければ嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。
「毎営業日10,000円の積立」という時点で、そのまま継続いただければ将来の成功は約束されている気がします。
以下、ご質問に対する回答になります。
本家VTとeMAXIS Slim「自作」全世界株はどちらが有利か?
結論から書きます。
1) 本家VTとeMAXIS Slim自作全世界株でのリターン差
→優劣をつけられない程度の差であり、気にするほどのものではありません
2) 先進国:国内:新興国=8:1:1の比率について
→VTの構成とほぼ同じですので、その構成に納得していれば問題ありません
3) インデックス投資におけるナンピン買いについて
→インデックスファンドは下げ止まりのある投資対象ですので、無難です。
ただし、ナンピン買いのルールは決めておくとよいかもしれません。
1) 本家VTとeMAXIS Slim自作全世界株のリターン差
ご質問をいただいた当時はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)が未発売でしたので、eMAXIS Slim「自作」全世界株を構成するしかありませんでした。
2018年11月以降はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)が発売されていますので、そちらを購入するのがよいですね。
ただし、日本や先進国、新興国の比率を自分の好みの配分に変更したい方は今でも「自作」する価値があるでしょう。
さて、VTのコンセプトは全世界の株式市場に時価総額加重に応じて分散投資するというものです。
今現在は、米国が約58%、米国以外の先進国が約33%(日本は約8%)、新興国が約9%です。
近年の米国の好調さを受け、年々米国の占める割合が高くなっています。
eMAXIS Slim「自作」全世界株というのは、そのVTの配分に近くなるように、「国内株式」「先進国株式」「新興国株式」クラスの投資信託を買い付けるというコンセプトですね。
先進国:国内:新興国=8:1:1の比率について
eMAXIS Slimシリーズを先進国:国内:新興国=8:1:1で買い付けた場合、以下の配分となります。
・米国 約55%
・日本 10%
・米国と日本以外の先進国 約25%
・新興国 10%
VTと比較すると、米国が若干アンダーウェイトで、日本が若干オーバーウェイトになりますが、誤差の範囲内と言えるでしょう。
eMAXIS Slim自作全世界株がVTを模倣している以上、よほどどちらかの商品の運用に大きな問題がでない限り理論上はそのリターンは酷似するはずであり、むしろそうでなければなりません。
VT一本と異なりバランス調整は必要です
私は投資はシンプルなのが好みですので、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に一本化します。
ただし、少しでもコストを削減したいという投資家や、投資割合を自分の好みに応じて変更したいという投資家にとってeMAXIS Slim「自作」全世界株が魅力なのもよく分かります。
完全に好みでよいでしょう。
ただし、VTは今後世界各国の時価総額に変動があった場合に自動でバランス調整されますが、eMAXIS Slim「自作」全世界株は手動でバランス調整する必要があります。
私はVTやeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の「勝手にリバランス」という点に魅力を感じていますので、やはりそちらを選択します。
インデックスファンドのナンピン買いについて
インデックスファンドのナンピン買いは最大のリターンを生むことはありませんが、無難な選択と言えます。
投資信託は株式の集合体ですので、適切に分散された商品を選べば、下げ止まりがあることが約束されているからです。
個別株の場合、ナンピン買いによって莫大なリターンを得られる場合もあれば、そのままゴミクズに変わってしまう可能性もあります。
株式100%全力投球ではなく、ある程度のキャッシュポジションを常に確保しておき暴落時に追加投資できる体制を整えておくことは、心理的な効果も含めて有効かと考えます。
まとめ
本家VTとeMAXIS Slim自作全世界株の長期リターンは気にするほどの差はでないものと考えます。
徹底的にコストにこだわってリバランスを自分でやるか、コストを少し払ってリバランスを自動でやってもらうかという違いです。
ものぐさな私はVTやeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を選びます。
【おすすめ投資本】
インデックス投資の基本であるアセットアロケーションの考え方などについては、以下の書籍を読むことを推奨します。
初心者の方でも読みやすく、簡潔な文章で内容もよくまとまっています。
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こんな記事も書いています。
マネックス証券のiDeCoの強みは、最低コスト保証のeMAXIS Slimシリーズを扱っていることです。
つみたてNISAでは楽天VTと楽天VTIがおすすめ商品です。eMAXIS Slim米国株式(S&P 500)も優秀ですね。
eMAXIS Slimシリーズは業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けることを明言している点が魅力です。