おはようございます。
当ブログの読者の方から、
「相場に全く興味がないのですが、投資をやってみたいです」
というストレートなご質問をいただきました。
当ブログの読者の大半は、ある程度投資に興味があって訪問しているものだと思っていましたが、これは非常に面白い質問です。
「相場に興味がないならばやらないほうがよい」、「ロボアド一択」という回答もありですが、それだと面白くありませんので、一緒に考えてみたいと思います。
「相場に全く興味がないのですが、投資をやってみたいです」に対するご回答
医師の例に置き換えてみましょう。
「脳梗塞は全く興味がないのですが、神経内科医になりたいです」
「手術には全く興味がないのですが、一流の整形外科医になりたいです」
これは論外です。
上級医に鼻で笑われるか失笑されます。
間違っても口に出してはならない、自分の心の中に深くとどめておくべき言葉といえるでしょう。
一方で、
「相場に全く興味がないのですが、投資をやってみたいです」
はなんとかならなくもないです。
一応の答えとしては、
「多少は興味があった方がよいが、やれないことはない」
でしょうか。
具体的には、以下のステップを踏むことになりますね。
ステップ1. 生活防衛資金を貯める
最優先でやらなければならないことは、生活防衛資金を貯めることです。
生活防衛資金と言われると分かりにくいかもしれません。
要するに、
「今すぐに病気になって働けなくなったりしても、当面の間生活が継続できるだけのお金を確保しておけ」
ということです。
当面の間生活できるだけのキャッシュというのがいくらくらいを指すかは個人差があると思いますが、家庭持ちであれば500万以上が目安でしょうか。
ステップ2. キャッシュと株式の割合を決める
ステップ1で貯めた生活防衛資金には何があっても手を出さないようにしましょう。
投資で最も重要なのは、心にゆとりが持てる範囲内でのみリスクを背負うことです。
精神的なゆとりを失うと、自分でも信じられないような行動を起こして大損する可能性があるからです。
さて、次にやるべきことは、大体でいいのでキャッシュと株式の保有割合を決めることです。
キャッシュと株式の意味合いとしては、
1) キャッシュ:元本保証
2) 株式:最悪のケースで5割減
おおまかにこうとらえておきましょう。
おすすめの株式の保有割合は?
ポートフォリオの最初の基本形としては、
「キャッシュ 50%:株式 50%」
をおすすめしておきます。
一般的に、ポートフォリオの中の株式の割合は「100 ー 年齢(%)」とするのがよいと言われています。
しかし、仮に30歳と仮定しますと、株式70%というのはけっこう値動きが大きいです。
株式70%の意味合いをよく理解して実践している場合には全く問題ありませんが、相場に全く興味がない人には正直おすすめしづらいです。
ディフェンシブすぎるくらいのポートフォリオで開始してみて、実際にやってみる中でリスク資産の割合を徐々に増やしていく方がよいと思います。
ステップ3:株式クラスの基本形は楽天VTかeMAXIS Slim全世界株式で
最後に、ポートフォリオの株式クラスに何を買い付けるかです。
相場に全く興味なしということであれば、素直に世界分散投資でよいでしょう。
「何も足さず、何も引かない」
シンプルとはそういうことです。
より具体的には、100%楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)で保有することをおすすめします。
「キャッシュ 50:楽天VT 50」
というポートフォリオです。
究極にシンプルですが、決して悪くはないと思います。
あえて日本市場を外すならば、楽天VTの代わりにeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)でしょう。
ステップ4:楽天VTの買い方は?
最後に、楽天VTの買い付け方です。
相場に全く興味無しということであれば、「毎月一定金額の自動積立設定をして20年間放置」が正解となります。
銀行口座から引き落としにしておけば、知らない間に証券口座の買付余力がゼロになっていたという事態も防ぐことができ、まさに「自動」です。
いろいろ複雑なことを書きましたが、一言でまとめてしまえば、
「何も考えずに余剰資金の半分で楽天VTを積み立てる仕組みを作る」
ただそれだけのことになりますね。
あとは、投資を続けていく中で少しずつ相場に興味を持てるようになれば、きっとうまくいくことと思います。
まとめ
「相場に全く興味がないのですが、投資をやってみたいです」というストレートなご質問に対する回答でした。
相場を見ない場合には、平均点をとることに徹するのが大原則です。
長期継続するという前提にはなりますが、きっとリターンもさほど悪くないと思いますよ。
こんな記事も書いています。
長期のインデックス投資こそがプラスサムゲームであり、初心者ほどプラスサムゲームに参加することが重要です。
少額でもよいので投資の世界に身をおいてみることで、少しずつ相場に興味が湧いてくるかもしれません。
つみたてNISAの口座をうまく活用することをおすすめします。