おはようございます。
配当にフォーカスした米国ETFと言えば、VYMとHDVが代表格ですが、VIGという「10年以上連続して増配している米国株」にフォーカスしたETFもあります。
ETF純資産総額は272.98億ドルと3兆円を超える莫大な規模で、VYMを上回っており、米国ではかなり人気のあるETFと言えます。
以前に、米国高配当株ETFの代表格であるVYMとHDVを比較する記事を書きましたので、その続きでVIGとVYMを比較してみたいと思います。
VIGとVYMを比較してみる
まずは、VIGの概要です。
・ベンチマーク:NASDAQ USディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックス
・経費率:0.08%
・大型株の中で、10年以上連続して増配の実績を持つ米国普通株で構成される
・増配の可能性が低い銘柄は除外
VIGとVYMの分配金利回りを比較してみる
VIGとVYMはどちらも配当に期待するETFですので、分配金利回りが重要なのは言うまでもありません。
直近の分配利回りは、
・VIG 約1.8%
・VYM 約2.9%
となっています。
VIGは「連続増配」にフォーカスしていますので、現時点での分配利回りではVYMに軍配が上がります。
今の時点ですでに高配当の成熟企業に投資をする場合には、VYMを選択した方がよいでしょう。
VIGのセクター比率をVYMやVTIと比較してみる
VIGのセクター比率を見ていきます。
資本財や消費財、消費者サービスの割合が圧倒的に高いですね。
一方、VTIでは主力の金融系やテクノロジーの割合が低いです。
VYMは公益や通信サービス系のセクター比率が高いですが、VIGではほとんどゼロに近いです。
石油・ガスに至っては0.0%ですが、これは資源安の影響で業績が上がらず、増配できなかったことを反映しています。
「連続増配」という点にフォーカスしたETFですので、このような偏りが生まれるものと考えます。
続いて、VYMのセクター比率です。
VYMのセクター比率は、VIGほどの大きな偏りはなく、VTIに比較的近似しています。
VTIと比較した時の特徴は、金融系の割合が低く、消費財や公益、通信サービス系の割合が高いことでしょう。
公益や通信サービス系は常に一定の需要が期待される、安定・高配当の業種と言われています。
高配当株ETFでそのセクター比率が高くなるのは自然と言えるでしょう。
VYMのセクター比率を眺めていますと、VIGほどの極端な偏りはないですね。
個人的には、VTIに近い構成でシンプルに高配当の成熟企業を集めたVYMの方が好みではあります。
以下、参考までにVTIのセクター比率になります。
全米株式市場の99.5%を網羅するETFですので、こちらを基準に考えるとよいでしょう。
ひと目で金融系やテクノロジーの比率が高いことが見てとれます。
特に、テクノロジーは近年の米国株式市場の成長を牽引してきたセクターですので、急激に存在感を高めています。
VIGの構成銘柄トップ10をVYMと比較する
VIGの構成銘柄トップ10を見ていきます。
マイクロソフトやジョンソン・アンド・ジョンソンは、VYMとも共通しています。
その他、ペプシコや3M、メドトロニックやアボットなど、いずれも米国を代表する有名企業ばかりが名を連ねています。
VYMやHDVでは上位を占めている、エクソンモービルやシェブロンなどの石油メジャー系企業は含まれません。
続いて、VYMの構成銘柄トップ10です。
VIGと比較すると、エクソンモービルやシェブロンといった石油メジャー企業、また、AT&Tのような通信系が上位に名を連ねます。
構成銘柄数はVYMは約400で、VIGが約180ですから、分散性という意味ではVYMの方が有利です。
VIG、VYM、VTIの10年リターンを比較してみる
最後に、VIG、VYM、VTIの10年リターンです。
赤がVTI、青がVIG、緑がVYMです。
(画像はYahoo financeから引用)
米国市場は9年近く好調を維持していますから、グロース株・小型株比率の高いVTIのリターンが良いのは理解できます。
VIGとVYMでは、VIGの方が直近10年の取引値の成長率は高いです。
この傾向が今後も続くかは不明ですが、配当金の成長を期待しつつ、キャピタルゲインも狙えるVIGは魅力的なETFの一つなのは間違いありません。
まとめ
私自身はVYMを保有していますのでVIGは今のところ購入予定はありません。
配当金の成長に期待できるうえ、直近10年間のリターンは申し分ありませんから、魅力的なETFの一つなのは間違いないでしょう。
こんな記事も書いています。
2018年は2017年と異なり調整局面を迎えていますが、VTIやQQQの回復力の高さが目立ちます。
将来的には「月10万円」の配当金というのを一つの目標にしています。
当ブログおすすめの株式ETF5選です。QQQやVIGもランキングに入れてもよさそうです。