おはようございます。
インデックス投資家にとって、長期保有に値する鉄板銘柄の一つが米国株式市場の主要な指数に連動するETFです。
世界分散投資に徹するVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)ですら米国への投資割合が50%以上あることからも、インデックス投資ならば米国株式市場は外せない投資対象といえます。
その中で誰もが一度は悩むのが、米国株式市場のどの指数に連動するETFを購入するかという点でしょう。
長期保有を前提とするならば、鉄板商品はVTIとS&P500 ETF(VOO、IVV、SPY)だと思います。
VTIとS&P500ETF(VOO、IVV、SPY)はどれを選ぶべきか
結論から書くと、VTIを積極的に外す理由はない気がします。
ただし、VTIの代わりにVOO、IVV、SPYを選んだとしても大きな差は出にくいです。
S&P500 ETFの中ではSPYだけ経費率が0.09%と割高ですので、今から購入するならばIVVかVOOです。
S&P500 ETFとVTIの商品概要
S&P500に連動するETFで、日本のネット証券大手3社で買い付けが可能な商品といえば、下記の3つが代表選手です。
1) VOO(バンガード・S&P500 ETF):経費率 0.04%、純資産総額 836.40億$
2) IVV(iシェアーズ・コアS&P500 ETF):経費率 0.04%、純資産総額 1427.36億$
3) SPY(SPDR S&P500 ETF):経費率 0.09%、純資産総額 2545.93億$
上から順に、バンガード社、ブラックロック社、スパイダー社の販売するETFです。
この3社の販売するETFが、米国ETF運用総額ランキングの上位を独占しており、ETF業界におけるこの3社の存在感は圧倒的といえます。
一方、CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動するETFの代表が
4) VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)
になります。
バンガード社の販売ETFの中ではVTIが売上1位であり、VOO以上に個人投資家から支持されているバンガードの主力ETFです。
S&P500 ETF(VOO、IVV、SPY)の魅力
S&P500指数は、米国の主要業種を代表する500銘柄で構成されており、当然米国大型株を対象とした投資になります。
保有銘柄のウェイトは時価総額ベースで算定されます。
S&P500 ETFの魅力は、なんといっても過去数十年間以上にわたる長期投資での実績が証明されていることでしょう。
(画像はYahoo financeから引用)
2000年代こそITバブルとリーマンショックという2つの大暴落で10年あまりに渡って停滞しましたが、リーマン・ショック後のパフォーマンスは圧倒的と言えます。
これが永久に続くならば、S&P500ETF一本でもよいと言えるくらいのパフォーマンスですね。
VTIとS&P500ETF(VOO、IVV、SPY)のパフォーマンス差は?
次に、長期チャートでVTIとS&P500ETFのパフォーマンス差をみてみます。
(画像はYahoo financeから引用)
リーマンショック前・後のいずれもVTIの方がS&P500 ETFを上回っています。
ITバブルやリーマン・ショック時にはほぼ同等の大暴落を経験していますが、暴落後の回復過程でVTIの方が優れた成績を残していると言えそうです。
この傾向が今後どうなるかは分かりませんが、過去の実績からはVTIは買いと言えそうです。
実際、バンガードの中ではVOOよりもVTIのほうが売れているのも納得ですね。
VOO、IVV、SPYの中からどれを選ぶか
VOO、IVV、SPYはどれもS&P500に連動するETFですので、どれを購入しても大差はありません。
同じ指数に連動する商品ならば、資金が集まっており安定した運用が期待できる会社の商品を選ぶのが鉄則です。
非常に贅沢な悩みと言えますが、VOO、IVV、SPYの純資産総額はどれも数兆円以上の規模です。
これで純資産総額が足りないと言い出したら、国内の投資信託には一つも安心できるものがないことになります。
日本のインデックス投資家から圧倒的な人気を集めるニッセイ外国株式インデックスファンドですら純資産総額850億円程度ですからね。
まさに「桁違い」なわけです。
一方、経費率はVOOとIVVが0.04%、SPYが0.09%と差があります。
私ならば、わずかではありますが手数料の差でVOOかIVVを買いますね。
なお、S&P500に連動する商品を手数料0.04%で購入できるというのは大変恵まれた環境と言えます。
米国のようにドル経済圏で生活していれば、為替の変動すら深く考える必要がないわけですから、ウォーレン・バフェットが自分の死後に備えて、妻に
「資金の90%をS&P500に投資せよ」
と言ったのも頷けますね。
VTIの魅力は米国市場の中型〜小型株まで広く投資できること
VTIの最大の魅力は、「米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーしていること」でしょう。
S&P500 ETFと異なり、
・バリュー株からグロース株
・大型株から小型株
まで広く米国株式市場全体に分散投資が可能です。
バンガード社はVTIとVOOの両者を販売しているわけですが、バンガード社の中ではVTIの方が売れています。
VTIは、ETF運用総額ランキングでもSPY、IVVに次ぐ3位であり、爆発的な人気を誇るETFをいえるでしょう。
さらに小型株効果を狙うならばIJRという手もある
少々脱線しますが、米国小型株への投資割合を増やしたければ、S&P スモールキャップ600指数に連動する
「IJR(iシェアーズ S&P小型株ETF):経費率 0.07%」
を別に購入する手もあります。
銘柄数は600とS&P500よりも多いですが、それでも米国株式時価総額の3%程度ですので、いかにS&P500に名を連ねる企業の存在が圧倒的か窺い知ることができます。
私は投資はできるだけシンプルな運用としたいので、初めから中型〜小型株も含めて投資可能なVTIに主に投資をしています。
まとめ
VTIとS&P500 ETF(VOO、IVV、SPY)はどちらも優れたパフォーマンスが期待できる優良ETFです。
過去20年間の実績だけ見てみますと、VTIの方がS&P500 ETFを上回っています。
いろいろ考察してきましたが、過去のことが未来にそのまま当てはまるかわからない以上、どれでも好きな物を購入すればよいと言えるレベルの差と言えます。
こんな記事も書いています。
VYMとHDVは米国高配当株ETFの代表格ですが、税引き後の分配金利回りは2.5%程度が限界ですので、ETF単独で高配当は厳しいです。
SBI証券では、投信積立だけでなく積立ETFに対応しています。手数料負けしないために1111$以上で買い付ける必要があることに注意が必要ですが。
長期のインデックス投資こそプラスサムゲームと言えます。初心者の方ほど素直にプラスサムゲームに乗っかっておくのが得策と考えます。