おはようございます。
当ブログの読者の方から、下記のご質問を頂戴しましたので回答させていただきます。
いつも勉強がてら楽しくブログを拝見させていただいております。 私は35歳で嫁、子供4人のサラリーマンです。 副業で少しばかり余剰金があるため「ふるさと納税」を3年前から始めました。 そしてこちらのブログを拝見し「確定拠出年金」「つみたてNISA」を今年から始めました。 投資は全くの初めてなので、ブログを参考に「確定拠出年金」「つみたてNISA」とも楽天VT・楽天VTIを6:4の割合で選択しました。 分散投資という概念からすると「確定拠出年金」「つみたてNISA」とも同じ商品である楽天VT・楽天VTIを選ぶのは間違いなのでしょうか? 何かこのど素人にご教示いただければ幸いです。
当ブログが「確定拠出年金」と「つみたてNISA」を始めるきっかけの一つになったようで、嬉しく思います。
ご質問の要点は「確定拠出年金とつみたてNISAの両方で同じ商品(楽天VTと楽天VTI)を選ぶのは間違いか?」という点ですね。
確定拠出年金とつみたてNISAで同じ商品を選択することはハイリスクか?
結論から書きます。
1) 確定拠出年金とつみたてNISAの両者で楽天VTや楽天VTIだけを購入すること自体は問題なし
→VTやVTIを購入した時点で、全世界中の8000銘柄以上への分散投資ができています
2) VTやVTIはあくまで「株式の集合体」なので、債券やREITなど他のアセットクラスへの分散はできていない
→「株式100%」のポートフォリオをハイリスクと考えるならば、債券やREITにも分散してもよいかもしれません
以下でもう少し詳しく見ていきます。
「分散投資」の意味を理解し間違えている可能性があります
一般的に、インデックス投資の「分散投資」とは購入する商品の数ではなく、
・投資対象とする国や地域をどこまで含めるか
・株式や債券、REITといったアセットクラスをどこまで分散させるか
といったことを指すと思います。
自分の投資方針に合致していれば、楽天VTや楽天VTIの2つだけを集中的に保有すること自体は問題ありません。
もちろん、あまりに純資産総額が小さく、商品自体が消滅するリスクのある商品は論外ですが、楽天VTや楽天VTIの場合は今後も順調に純資産総額を伸ばせば安定的な運用が期待できると思います。
楽天VTと楽天VTIは「株式クラスの中では」十分に分散投資されている
楽天VTのベンチマークはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスです。
商品説明によれば、全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーしています。
VTを購入した時点で、先進国や新興国市場を含む約47カ国の大型、中型、小型株の約8000銘柄への分散投資を実現しています。
8000銘柄に分散されていますので、1銘柄あたりの投資額というのは微々たるものになりますが、その分個別銘柄や個別国の不調による株価下落のリスクを抑えることが可能です。
時価総額No.1のAppleですらVTの中ではわずか1.6%ですから納得ですね。
楽天VTIのベンチマークはCRSP US トータル・マーケット・インデックスです。
米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーしており、VTIを購入することによって、米国市場の約3600銘柄の大型株、中型株および小型株に分散投資をすることが可能です。
こちらも時価総額No.1はAppleですが、そのAppleですら割合にすれば2.7%に過ぎませんので、広く分散投資されていることが理解できます。
VT・VTI onlyは「株式に偏ったポートフォリオ」であることには注意が必要
ちなみに、VTの中身の50%強は米国株です。
よって、楽天VTや楽天VTIを6:4で保有するということは、
・ポートフォリオ全体の約70%強を米国株式市場に投資している
・残りの30%のうち、米国以外の先進国市場に約20%強、新興国市場に約6%程度投資をしている
という点を理解した上で投資をしていれば問題ないと思います。
これが自分の理想のアセット・アロケーションに近ければOKということになるでしょう。
ただし、楽天VTや楽天VTIがいくら分散されているとはいえ、あくまで株式クラスへの投資ですので「株式100%」のポートフォリオです。
一般的なインデックス投資本には、債券やREITなどの株式以外のアセットクラスへの分散も推奨されていると思いますので、それを実現するには楽天VTや楽天VTIだけでは不十分ということになりますね。
私自身は、それを理解した上であえて株式100%の集中投資をしているということになります。
まとめ
上記の点を理解した上で楽天VTと楽天VTIに集中的に投資をするのは問題ないと思います。
ポイントは、
・米国70%、米国以外の先進国 20%強、新興国 6%程度の配分を受け入れられるか
・株式100%のポートフォリオを受け入れられるか
の2点ではないでしょうか。
ご質問ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。
こんな記事も書いています。
iDeCoとつみたてNISAをやった上で、なお余剰資金がある場合には特定口座で株式以外の商品を購入してバランスをとるのもありでしょう。
自分にしっくりくるポートフォリオに到達するまでにはいろいろと試行錯誤をする必要があります。私にとっては、VTがその答えの一つであったということです。
見切り発車でもよいので、iDeCoやつみたてNISAを始めてみることで、投資のことがより理解できるようになると思います。