おはようございます。
今年1月から開始されたつみたてNISAですが、これは「コツコツ貯金よりコツコツ投資の方が良い」と国(金融庁)が認めたシステムです。
元来、投資にあまり積極的でないと言われる日本人を動かすには、投資に対する心理的なハードルを下げる必要があります。
そこで、
・国が認可した一定の条件を満たす商品しか購入できない(安心感)
・ドルコスト平均法による積立投資しか選択できない(手間いらず)
・20年という時間を活用することで、長期での値上がり益を狙う(時間を長くとって負ける確率を減らす)
という縛りをもうけることで、一般の方の投資への参加を促す目的があるのでしょう。
つみたてNISAは国がコツコツ貯金よりもコツコツ投資を推奨しているということ
日常的に投資をしている投資好きの方にとっては物足りなさ満載のつみたてNISAですが、これから投資を始めようとする人の取っ掛かりとしては最適といえます。
私自身も、今から投資を始めようとする人に真っ先にどのような手法を勧めるかと聞かれたら、
「低信託報酬の投資信託のドルコスト平均法で世界分散投資」
と答えるでしょう。
他人におすすめする時に、ボラティリティの高さや個別企業の倒産リスクなどが伴う個別株投資はどうしてもおすすめしにくいです。
私も、自分が惚れ込んだ個別株は時々購入することはありますが、それをブログで勧めたりしないのにはそういった理由があります。
円の価値は今後下落していく可能性が高い
なぜ、国がコツコツ貯金よりもコツコツ投資を推奨しているかと言うと、
1) 以前のように給料が右肩上がりに上昇する時代ではない
2) 少子高齢化により増税が避けられず、可処分所得はさらに減少していく
3) 大幅に金利を上昇させることは困難で、銀行預金では昔のように円が増えない
4) アベノミクスは2%のインフレ目標を掲げており、それが実現されれば「円」の価値は約2%ずつ目減りしていく
からです。
となると、国がとれる手段としては、
「国に任せきりではなく、個人が銀行に眠っている自らの預金を活用して資産運用する」
しかないわけです。
重要な点は、これからは銀行預金だけ積み立てること自体がハイリスクな時代になるということですね。
つみたてNISAでやれることは「商品選択」と「積立頻度・積立金額」しかない
さて、つみたてNISAの特徴と言えば、国の認可を受けた限られた商品の中からドルコスト平均法でコツコツ積み立てる方法しかとれない縛りです。
つみたてNISAの場合は、実質的にやれることは
1) 積み立てる商品の選択
2) 積立の頻度(毎日・毎月など)
3) 積立額
だけです。
よって、初めに一度設定してしまえば後は完全に放置プレイでよいわけです。
この「放置プレイ」を徹底できるかどうかが勝敗の鍵だと思っています。
つみたてNISAを成功させるコツはとにかく「気絶」しておくこと
NISAのメリットは「いつでも引き出せる」流動性の高さですが、これは一方でデメリットにもなりえます。
ドルコスト平均法による積立が最大の威力を発揮するのが暴落時です。
むしろ、暴落がない相場ならば始めに一括投資してしまった方がマシと言えます。
相場が読むことを諦めたからこそドルコスト平均法を採用しているにも関わらず、暴落時に証券会社の口座画面を眺めて狼狽してしまう人が多いのです。
一度精神的に焦りがでると、冷静な時ならば絶対に実行にうつさないような信じられないことを実行してしまうのが人間です。
それを防ぐためには、初期設定だけしたらあとは「気絶」しておくのがベストだと思います。
自分の信じた商品の積立設定をしたら、あとは20年後に答え合わせをするというのがつみたてNISAの活用法ではないでしょうか。
つみたてNISAを資産で5倍にするなど無理な話です
つみたてNISAでどの程度のリターンを期待するかは人によると思いますが、一つの目安になるのは「72の法則」でしょう。
72の法則というのは、72を運用期間(年)で割ると、元本が2倍になるのに必要な利回りが計算できるというものです。
つみたてNISAの場合は20年ですから、
72 ÷ 20 = 3.6(%)
となりますね。
インデックスファンドのドルコスト平均法による積立ですから、まぁこれくらいが限界だろうと思っています。
リスクをできるだけ抑える投資手法をとっていますので、その分リターンも下がるのは当然ですね。
最高にうまく行ったケースで20年後に2倍というのが現実路線です。
それ以上をつみたてNISAに期待するのは酷でしょう。
時々、過度なリターンを期待している方がいらっしゃるようですが、選ぶべき手法を間違えているとしか言いようがありません。
まとめ
つみたてNISAを成功させるコツは、初期設定だけをしたらあとはひたすら「気絶」をして、20年後に答え合わせをすることです。
間違っても暴落時に証券会社の口座で総資産額をチェックしないようにしましょう(笑)。何も良いことはありません。
こんな記事も書いています。
個人的には、今の商品ラインアップならば「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」か「EXE-iつみたてグローバル株式ファンド」を積み立て続けるのがよいかなと考えています。
iDeCoやつみたてNISAのような非課税枠には、最も期待リターンの高い株式クラスを全力で購入すべきです。投資期間が長ければ長いほど負ける確率は下がるでしょう。