おはようございます。
幼少期の自制心を調査した「マシュマロ実験」は非常に有名な実験ですが、皆さんご存知でしょうか?
我々個人投資家は大人ですので、目の前にあるマシュマロを食べるのは我慢できますが、欲しい株があるとつい買ってしまう衝動から抜け出すのは大変です。
個人投資家も目の前に誘惑に耐える能力を育もう
マシュマロ実験は、幼少期の自制心を調査した有名な研究で、米国のスタンフォード大学の研究者ウォルター・ミシェル氏が1960年代に行った実験です。
4歳の子供に、マシュマロ1個を今すぐ食べるか、20分ほど待ってマシュマロ2個をもらうか選ばせるというシンプルなものです。
具体的には、
1) 4歳の子供は椅子と机だけの部屋に通され、椅子に座るよう指示される
2) 机の上には、皿とマシュマロ1つがのっている
3) 20分間我慢できたらマシュマロをもう1個もらえること、我慢できなかったら2つ目は無しであることを告げられる
このような手順で進めます。
なお、子どもたちの様子はビデオカメラで一部始終が録画されました。
将来のより大きな成果のために、自己の衝動や感情をコントロールする能力を養う
肝心の結果ですが、最後まで我慢して2個目のマシュマロを手に入れた子供は3割強という結果でした。
我慢できた子の特徴として、目の前にあるマシュマロを見て、「これはさっき床に落ちた汚いものだ」といったネガティブな想像をする、目をそらしたり後ろを向くなど、誘惑に耐える努力をしていたことが分かっています。
誘惑に負けないよう、マシュマロから注意をそらす努力をしていたのです。
その後の追跡調査で、マシュマロを食べるのを我慢できた子の方が、将来のSAT(大学進学適性試験)の点数が高く、また肥満率も低いというデータが出ています。
つまり、4歳の時の自制心の有無が、将来の学業成績や社会的成功にも繋がりうるということです。
このマシュマロ実験から学べることは、「将来のより大きい成果のために、自己の衝動や感情をコントロールし、目先の欲求を我慢する能力」の重要性です。
個人投資家も株を買いたいという衝動への自制心を養おう
マシュマロ実験自体は就学前の子供に対する調査ですが、個人投資家にとっても自制心の強さは成功に直結する要因の1つです。
確たる戦略なく、自分の欲しいタイミングで自分の欲しい株を買うだけの人は、短期的に成功することはあっても、長期的に成功し続けることはありません。
順張りの相場で周囲の人が株を買いまくっている局面では、つい自分も株を買いたくなりますが、ここをぐっと我慢できるかが勝敗の分かれ目です。
株が欲しい気持ちが強い時は、多くの場合、本当の買い場ではないからです。
その場で衝動のままに株を買ってしまう人は、マシュマロ実験ですぐにマシュマロを食べてしまう子供と一緒なのかもしれません。
目の前の誘惑から注意をそらすには、自分なりの投資ルールに従うことが重要
人間は元来誘惑には弱いものです。
私も、以前は目の前に魅力的な株があるとそれに手を出し、損を出して撤退したことが何度もあります。
まずは、自分の自制心を過大評価しないことが重要だと思います。
マシュマロ実験の子供ではありませんが、目の前の誘惑から注意をそらすための仕組み作りが必要です。
そのために、自分なりの投資ルールを作成し、そのルールに従って淡々と行動することが重要ではないでしょうか。
投資信託の毎月自動積立も、誘惑に負けないための仕組み作りとも考えられます。
もちろん、時代は刻一刻と変わりますので、投資ルール自体はその時の時勢に合わせて変更することはOKです。
しかし、芯がしっかり定まっていないと勝てる確率が下がるのは間違いありません。
まとめ
目の前にぶら下がっているマシュマロをすぐに食べてしまう投資家は負ける確率が高いです。目の前の誘惑に負けないよう、自制心のある投資家を目指したいものです。
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投資信託の毎月自動積立は、誘惑に負けやすい投資家ほどおすすめできる手法です。初めに積立て設定をしてしまえば、証券口座のページを開く必要すらないため、継続のハードルが低いです。
株が欲しいという気持ちが強い時は、本当の買い場ではないことが多いです。ある程度の現金ポジションを維持することも必要でしょう。