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認知症の発症を予防するために10代から意識すべき9つの危険因子とは

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おはようございます。

今週号の週刊ダイヤモンドの医療コラムの欄で、「認知症の発症を予防するために10代から意識すべき9つの危険因子」が紹介されていました。

個人的に面白かったのでご紹介致します。

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 認知症を予防するために10代から意識すべき9つの危険因子

団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる2025年以降、国民の10人に1人が認知症という時代が訪れると言われています。

国をあげての対策が必要なのは言うまでもありませんが、それ以上に重要なのは国民一人一人が認知症の予防に関する正しい知識を身に着け、それを個々人の可能な範囲で実践することでしょう。

病気を発症してからの投薬・通院・介護などの諸費用は膨大なものになりますので、やはり病気を発症する人自体を減らす一次予防の観点が重要です。

 

アルツハイマー型認知症では発症20年以上前からアミロイドβが蓄積する

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アルツハイマー型認知症 – Passion Ageing Inc. から引用

 

認知症の中でも最も頻度が高いのがアルツハイマー型認知症です。

アルツハイマー型認知症の患者さんの脳の中には、神経原線維変化や老人斑の沈着が見られ、これらが正常な神経細胞に対してダメージを与えます。

老人斑の主成分がアミロイドβという物質ですが、この物質は患者さんが病気を発症する20年以上前から蓄積し始めていることがすでに分かっています。

仮に70歳でアルツハイマー型認知症を発症した患者さんがいた場合、早ければ40代頃から脳の中では病理学的な変化が始まっているのです。

ですから、より早い段階から病気の発症に備える必要があります。

 

さて、先日のLancet誌に掲載された最新の論文によると、認知症の発症に関連するリスク因子は10個あります。

そのうち、遺伝的要因は個人の努力では如何ともしがたいリスクですが、その他の9つのリスク因子を全て改善できれば、認知症の発症リスクを35%カットできる可能性があるとのとです。

 

小児期に改善すべきリスク:教育歴

まず、小児期に改善すべき認知症リスクとして教育歴があります。

 15歳未満で教育歴が途絶えてしまうと、将来の認知症発症リスクが高くなるとのことです。

若い内にどれだけ脳を使ったかが重要ということでしょうか。

教育歴に関しては、学校だけでなく各家庭の環境によるところも大きそうですが、自分の子供にも最低限の勉強は教えてあげないと、低学歴というだけでなく将来の認知症にもつながりうるとは恐ろしいですね。

 

中年期(45歳〜65歳)に注意すべきリスク

次に、中年期に注意すべき認知症リスクとして、

・高血圧

・肥満

・難聴

が紹介されています。

難聴に関しては、実際に日常診療をしていても「まさにその通り」だと思います。

難聴の患者さんは、耳から頭に入ってくる情報が減るため脳の刺激が少なくなります。

また、難聴があると他人と口頭でのコミュニケーションが難しくなるため、他人との社会的な関わりが減ることが多いです。

そういった期間が長期間持続すると、将来の認知症につながりやすいということでしょう。

 

 

高齢期(65歳以上)に注意すべきリスク

65歳以上の高齢者では、下記がリスクになります。

・喫煙

・うつ

・運動不足

・社会的孤立

・糖尿病

社会的孤立は、定年退職後の男性が陥りやすい危険因子です。

現役時代から家事などを手伝っていれば退職後も家庭内の役割があるからよいですが、退職をきっかけに家に引きこもるようになる男性も多いです。

外に出て他人を関わることができ、高齢になっても継続できる趣味を持つなどの対策が必要です。

 

上記の9つのリスクの中で最も影響が大きかったのは?

さて、小児期〜高齢期までの長期間に渡って認知症にならないために気をつけるべき9つのリスクを紹介しました。

この中で、どのリスク因子が最も認知症の発症と関連が大きかったのでしょうか?

それは、難聴でした。

難聴を年のせいだからと甘くみず、補聴器を装着するなどの対策を早めにとりたいものです。

補聴器の性能が向上し、装着する人の満足度がもっと高まればより普及するのでしょうが。。

 

 

若いうちから可能な範囲で生活習慣を改善しよう

9つのリスクの中で、生活習慣に関わるリスク因子に関してはある程度自分でコントロールが可能です。

・高血圧

・肥満

・喫煙

・運動不足

・糖尿病(1型DMを除く)

この5つに関しては、遺伝や体質の影響もあるにはありますが、自分の努力でかなりの部分がコントロール可能かと思います。

まぁ要するに、規則正しい食事・定期的な運動・十分な睡眠をとって、心身ともに健康であれば認知症の発症はある程度防げるということですね。

社会的な孤立がリスク因子と考えると、仮にアーリーリタイアをしても人との関わりは持ち続ける必要がありそうです。

 

 

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