このブログでは以前から、時間のない医師にも可能な投資手法として、長期保有の逆張り投資を推奨してきました。
もちろん、医師以外でも本業が多忙で投資に十分な時間を割くことができない多忙なビジネスマンにはおすすめです。
しかし、この手法をとるのならば、絶対に手を出してはならないものがあります。
それは、下げ止まりがない企業や業界の株式です。
逆張り投資家は、いずれ底を打って株価上昇が見込めるものだけに投資をするのが前提
これが大前提条件です。
相場の底に向かって必死に買い下がったあげく、その会社がつぶれてしまってはショックのあまり夜も眠られません。
余剰資金で株をやっている人ならいったん撤退すればよいだけですが、虎の子の生活資金まで投資に回してしまったとしたら、自殺者が出る状況です。
こういう人は大抵冷静な判断ができなくなっているため、退き時も分からずどん底まで落ちていくしかありません。
投資は余剰資金で、というのは当たり前のことだけど再確認しておきましょう。
最低でも数社に分けて分散投資をする
投資の格言の中でも最も有名なものに「タマゴを一つのカゴに盛るな」というものがあります。
これはまさにその通りで、逆張り投資は相場の底に向かって投資をすることになるので、最も怖いのは投資対象が倒産してしまうことです。
逆張り投資家にとって株価が下がっていくことは織り込み済みですが、世の中から投資対象が消えてしまってはどうしようもありません。
山一證券やそごう、NOVAなどの大企業でもつぶれる可能性があるわけですから、自分の判断では絶対大丈夫だと確信を持ったとしても、一企業だけに集中投資することはあまりに危険です。
逆張り投資家の投資対象の条件とは
上記のことを考えると、逆張り投資家の投資対象としては、企業体質には問題がなく、バランスシートが良好で、業績が悪化することはあっても倒産することはない企業ということなります。
具体的には、
1) 好業績の超優良銘柄(米国で言うところのブルーチップ銘柄)
・世界経済の変動に引っ張られて一時的に業績が悪化することはあってもつぶれることは考えにくい
・問題は、大不況の時にはある程度値は下げるが、中小企業ほど倒産ギリギリまで売り込まれる可能性は低いので、中小企業投資ほど大儲けはしにくい
2) 生活に必須なジャンル:電力やガス、食品、通信系など
・あくまで日本が前提ですが、今の日本で電力やガス会社が無くなる可能性は考えられませんし、食品業界も大手であれば倒産は考えにくいです。
・スマートフォンは一人一台保有が当たり前の時代であり、通信系業界も消滅するとは思われません。
上記はあくまで一例です。他にも優れた投資対象はあると思いますが、倒産だけは避けないとということです。
2010年に倒産した、今は無き武富士から学ぶこと
消費者金融業で一世を風靡した武富士ですが、2010年に経営破綻をしたのは記憶に新しいと思います。
ピーク時の武富士のバランスシート、業績を見れば、株式投資家なら自分の資金を投入したもよいかなと思える状態であったと思います。
では、なぜ武富士は一気に没落してしまったのでしょうか?
それは、どれだけ財務状況が良さそうに見えても、消費者金融業というビジネスシステム自体に問題があったわけです。
バランスシートが良好だから、好業績だからという理由だけで投資をするのではなく、その業界全体のビジネスシステムには問題がないか?といった視点でも見ることが重要です。
こういう企業には投資しない方がいいかも
いわゆるグロース株。高成長株とも言いますね。
これらは株式市況が良い時に、雑誌などで素人向けの株特集が組まれた時に大々的に取り上げられる可能性が高い企業でもあります。
株価というのは投資家の期待値を反映した価格になりますので、投資家の期待値が高い株は実際よりも割高になりやすいです。
よって高値づかみする可能性が高いため、初心者は投資対象にしないほうが無難です。
また、ブルーチップ銘柄と比べると値動きが激しいために上級者向けの投資対象となりますね。長期の逆張り投資家には推奨できないと思います。
まとめ
・逆張り投資家の最大のリスクは投資した企業自体が不況に耐えられなくて倒産してしまうこと
・それを防ぐためには、経営基盤やバランスシートが良好で、大型企業の株式を買うようにする
・バランスシートが良好で好業績に見えても、ビジネスシステム自体に問題がある(消費者金融業など)物には投資をしないこと
こんな記事も書いています。
リーマンショック級の市場の大調整が入った時が逆張り投資家にとっての刈り取り場と考えて良いでしょう。
タネ銭と貯めるという当たり前の段階が、実は一番難しかったりします。ここをしっかりやらずに少額で投資を始めても何にもなりません。