東芝の粉飾決算後の株価下落がすごいです。
ピーク時は1100円台をつけていた東芝株ですが、今は200円台という大暴落っぷり。
仮に自分が東芝社員で、周りに勧められるがままに持株会に参加をしていたら人生終わっていたことは間違いありません。
大変気の毒ではありますが、東芝社員の方には今頃青ざめている方もいるでしょう。
しかし、それは持株会に参加することのメリット、デメリットを知らずに安易に踏み込んでしまった結果とも言えます。
持株会に参加することの是非を考察してみる
持株会に参加するリスクとは自分の会社に自分の人生全てを賭けることに他ならない
持株会のメリット、それは自社株を購入する時に数%程度の補助が受けられることでしょう。当然、会社の業績が右肩上がりならばその分利益も大きくなります。
一方で、持株会に参加するということは、勤めている企業に自分の人生全てを賭けるということに等しいです。その会社と一蓮托生ということです。
昔のように一つの会社(特に大企業)に就職して、定年まで勤め上げれば後は国民年金+厚生年金をもらって人生あがり、という時代は終わりつつあります。
東芝だけではなく、山一證券など、大企業であっても何が起こるか分からない世の中です。
そんな世の中で自分の働く会社を全面的に信用すること自体がハイリスクすぎて、チキン野郎の自分にはとてもできません。
自社株を持っていて、社内で汚職が見つかったら早めに損切りするしかない
自社株を大量に保有していて、万が一自分の会社でスキャンダルが発生したらどうするか。それは一刻も早く売り抜けて損切りするしかないでしょう。
損切りができず、そのまま保有し続けて「いつかはまた株価が上がるのでは」という淡い期待を持っている人がいるが、まず大失敗です。
自分の会社で働いているのであれば、自分の会社の内部状況に株価が今後上向くようなポジティブな材料が全くないことくらいすぐに分かるでしょう。
実際、スキャンダルのあった企業に勤務している社員へインタビューをしてみると、「社内のムードも真っ暗で、今後人生どうなるのでしょうか」と不安にかられている声が多いです。
なのに、株価が急降下しても自社株を持ち続けるのはどう見てもアホでしょ。ネガティブな状況が次から次へと押し寄せ、冷静な判断力まで失ったら負け決定です。
では、暴落した東芝株に今手をだすべきか?
東芝株はかなり売られており、今の株価が200円台と底値に近いのは事実。
ですが、今回の株価下落は一企業内でのスキャンダルであり、このようなケースは企業体質自体に問題がある可能性があります。
東芝がすぐにつぶれるとは思っていませんが、大企業であるほど企業体質は一朝一夕にはかわらない可能性が高く、今後しばらく業績・株価が回復したとしても、またいつか同様のスキャンダルを起こすのではないかとの不安が強いです。
よって、自分の場合は完全に見送りです。
世界的な大不況の時期に、周囲の株安に引っ張られて本来の企業価値以上に割安に売られている優良企業株を買うのは勝率が高い手法。
一方、個別企業の汚職の場合はより慎重になるべきだと思います。
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自分の性格に合った投資法を選択することも重要です。