書店に行って投資本を読んでいると、初心者でもできる積立投資といった書籍を見ることが増えた気がします。
内容を見てみると、大半は手数料が安いノーロード投信を中心にポートフォリオを組んで、毎月一定額(数万円程度)を積み立てていくというもの。
そして、年に1回くらいポートフォリオの構成を見直し、偏りが出ていたらリバランスをする。これをただ機械的に続けていくという手法。
いわゆるドルコスト平均法というやつですね。
ドルコスト平均法の是非についてちょっと考察してみる
長期的に積立投資を継続することで、株価の変動リスクを抑制し、安定した収益が確保できるという理論。
一理あるとは思いますが、これで投資で大勝ちすることはないし、個人的にはこの戦略はあまりオススメしていません。
以前から言っているように投資は「買値が全て」
ドルコスト平均法の弱点、それは割高な時期にも一定額を書い続けてしまうことにほかならない。
割高な時期に購入すれば口数が稼げないため、当然損をする可能性が増えます。
書籍には年利3%のポートフォリオ(低リスク)、年利5%のポートフォリオ(ハイリスク)などと書かれているが、当然ながら数十年間に渡って毎年3%や5%ずつコンスタントに利益があがるわけではありません。
ドルコスト平均法でも損をするケースがありうるのは、他ならぬ高値づかみをしている時期が長いケースに多いです。
投資信託やETFという商品自体は分散投資がなされており、個別株投資より低リスクであるというのは事実だと思いますが、投資タイミングまで機械的に決めてしまうのはいかがなものかと思っています。
大不況が来た時にも強い信念で継続すればある程度の儲けは計算できる
ただし、リーマンショック級の世界的な大不況が来た時に、ドルコスト平均法を続けていれば、ある程度の利益が生まれる可能性は高い。
問題は、いざ大不況の局面が来ると投資行動をやめてしまう人が多いという事実です。いざ自分の資産がどんどん値下がりしていく局面に直面すると、このまま投資を続けていて大丈夫なのかという不安が頭をよぎり、途中で脱落してしまう人がいます。
これがドルコスト平均法で最も大損をするパターンです。
ドルコスト平均法でやると決めた以上、いかなる局面を迎えても機械的に投資を続けるとかたく誓っておく必要があるということです。
個人的には投資タイミングまで機械的に決めてしまう戦略はとらない
個人的には、投資は資金を投入するタイミングが最も重要だと思っています。
今はトランプ景気に湧いており、全体的に市況が良い時期なのでこういう時期は私は市場に近づきません。しばらく現金をストックすることに専念します。
景気には当然山と谷があるため、いずれは谷の局面が必ずやってきます。そういった時期に思い切った勝負ができるように、今はキャッシュを増やしておくのです。
先日紹介した『私の財産告白』にも、好況時には勤倹貯蓄に励み、不況時には投資活動に打って出るという内容の記載があります。まさにその通りです。
すでに1億円くらいの余裕資金を持っている人ならば、年利3%狙いの投資信託でも十分かもしれないですが。年利3%でも300万円だからね。これが投資のスケールメリットというやつです。
でも多くの人はそうじゃないわけだから、それなりに頭を使って戦略を練る必要があるということです。
こんな記事も書いています。
2018年のようなアップダウンのある相場ではドルコスト平均法は強いです。
2018年から開始したつみたてNISAは積立投資の強制力があり、税制上のメリットもあるためおすすめです。