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今のところ医師の給与体系は恵まれているが、社会保障制度崩壊や医学部定員増のリスクあり

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大先輩の医者と話していると、「昔はもっと稼ぎのいいバイトがあった」という話をよく聞きます。

たしかに、昔は今よりもっと医者が少なかったし、現代のように医者のための求人サイトのようなものもないため、いわゆる「これくらいが相場」というものが浸透しづらかった可能性があると思います。

一部の大病院を除いて、医局とコネクションがない私立病院などは医者のつてがあまり無いことが多いです。

これは医局に属していて、医局の命令で次の勤務先が決まったという経験しかなかったり、日赤や公的な大病院でしか働いたことがない先生には分かりづらいかと思います。

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 今のところ医者の給与体系は恵まれています

上記の理由から、昔の方が割の良いバイトがあったということは事実だと思いますが、私は今のところ医者はまだ恵まれている方だと思っています。

ただし、いつまでも今と同じ待遇で働き続けられるかというと疑問符が残ります。

 

医師は日本の公的医療保険制度に守れた半公務員的な存在であることを意識する

まず、医療業界自体が非常に閉鎖的であることから、外部からの影響を比較的受けづらい。

そして、日本の公的医療保険制度は、財政的にこのまま維持できるかという問題はあるものの、私達医師を守ってくれているわけです。

つまり、私達医師が比較的恵まれた境遇で働けるのは、医者というのが一種の聖域になっており、国の保険制度で守られているからということです。

ここで心配になるのは、今後日本の保険制度や医療界を巡る状況は、少子高齢化の流れの中で、改悪される可能性はあっても、改善される可能性は非常に低いということです。

 

医学部新設、医学部定員増の流れは我々現役世代の生活も圧迫しうる

そして、医学部の定員増で医者の供給も今後増えてくるため、今働いているDrたちは、今後は今ほどの境遇は得られなくなる可能性が高いと考えておいた方がよいです。

今のところ、やる気、能力のない医者であっても、ほとんど寝ているだけで一晩5万円程度の当直案件であれば求人サイトを見ればいくらでも転がっています。

極端な話、コミュニケーション能力に問題があって、通常の外来や病棟業務に支障をきたすようなダメ医者であっても、寝当直などをこなしていれば暮らしていけるという夢のような世界です。

しかも、本気でやれば年収2000万円だって達成は可能(医者としてのやりがいはないが)となれば、一般企業で毎日身を削って働いている会社員よりも、現状では恵まれていると考えていいでしょう。

 

いかに自分に希少性をもたせるかが生き残りのポイント

将来生き残るためには希少性が重要だと思っています。

私達神経内科医が生き残るためには、今後の高齢化社会のなかでますます増えていくであろう神経変性疾患とどう付き合っていくか。

一般に、神経変性疾患の診断は一般内科医の先生方は不慣れであり、特殊な診察や検査を行う必要があるため、我々神経内科医のところへ依頼がくることが多いです。

将来的に検査技術が発展し、誰でも簡単な検査をやれば一発で診断できる時代がくれば、世の中の発展にはなりますが、私達神経内科医は食いっぱぐれになる可能性もあるというわけです。

技術が発展する、大きなイノベーションが起きれば、今のような安定した境遇でいつまでも暮らしていけるとは限りません

医者になりたての先生たちは、医者の希少性があって比較的簡単に稼げるバイトが残っている今のうちにがむしゃらに働いて稼いでおいた方がよさそうですね。

いつかどれだけ働いても報われない時代がくるかもしれませんから。

 

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医師の世界あるあるをご紹介した記事です。けっこう理不尽なことも多いです。

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