おはようございます。
私は楽天マガジンで『週刊ダイヤモンド』 を毎週読んでいます。
その中でも、孫泰蔵さんの連載である「孫家の教え」は毎回興味深く拝読しています。
今週号では、「経験から学ぶことの重要性」について取り上げられていました。
自分の子供の教育を考えるうえでも重要な視点だと思いますので、ご紹介させていただきます。
優れたAIを作るにはビッグデータは必ずしも必要ない!?
AlphaGo Zeroの衝撃!
2017年10月にAlphaGo Zero(アルファ碁・ゼロ)に関する衝撃的な論文が報告されました。
既存のAlphaGo(アルファ碁)は、人間の過去の膨大な対局データを機械学習をして強くなり、最終的には人間の囲碁世界チャンピオンを打ち破りました。
一方、AlphaGo Zeroは、囲碁の基本ルールだけを教えて、あとはAI同士が対局を繰り返し上達していく手法が採用されました。
要するに、AlphaGo Zeroは人間の過去の対局データを一度も参考にしていないのです。
そして、このAlphaGo ZeroとAlphaGoを対局させた結果、100勝0敗でAlphaGo Zeroが圧勝したというデータが発表されました。
優れたAIを作るのにビッグデータがいらない可能性がある
私自身のAIに対するこれまでの認識は、
「優れたAIを作るには、過去のビッグデータを機械学習させる必要がある」
というものでした。
ところが、AlphaGo Zeroの事実から言えることは、
「優れたAIを作るにはビッグデータや巨大なコンピューティングパワーは必ずしも必要ない」
ということです。
この事実は、人間の今後の教育にも重要な視点を与えてくれると孫泰蔵氏は説きます。
教育における「系統主義」と「経験主義」とは?
孫泰蔵氏は、教育には大きく二つの考え方があると言います。
それは、
1) 既存の知識や概念を教師が生徒に教える形で体系的に学ばせる「系統主義」
2) 子供の直感や感覚を重視し、体験や経験を通じて子供の発達を促す「経験主義」
です。
日本の公教育においては、長らく系統主義が重視されてきました。
日本の中学や高校では、黒板の前に教師が立ち、教科書の通りに生徒に既存の概念や知識を教えるスタイルが今でも主流です。
「知識編重」「暗記中心」の教育と言い換えることも可能です。
確かに、私が中学〜高校で受けた授業の大半は「系統主義」に基づいた授業でしたし、大学受験は「系統主義」の集大成のような試験でした。
「系統主義」と「経験主義」のバランスが重要となる
系統主義の教育は、誰でも画一的な基礎学力を身につけられるという意味では今でも大きな価値があります。
ところが、今後の時代の流れを考えますと、系統主義一辺倒の教育では限界があることは間違いありません。
AlphaGo Zeroは囲碁のルールだけを教えられ、その後は同レベルの相手(別のAlphaGo Zero)と対局を繰り返すことで経験主義的に強くなりました。
そのAlphaGo Zeroが、人間同士の過去の膨大な対局データから「系統主義」的な学習を繰り返して強くなったAlphaGoを完璧に打ち破ったことは大変興味深いですね。
知識を持っているだけの「物知り」な人の価値は下がる一方
単純な知識をどれだけ多く身につけたとしても、これからの時代はその人の市場価値が向上することはありません。
スマホの普及によって、ほとんどのことはインターネット検索をすれば瞬時に調べることができるからです。
単なる「物知り」の存在価値は今後も下がる一方でしょう。
今後は経験に裏打ちされた「スキル」や「ノウハウ」の価値があがります。
系統主義に重点をおいた日本の公教育はこれまで一定の成果を生み、優秀な人材を生み出してきましたが、これからの時代は「系統主義」と「経験主義」のハイブリッド的な教育がスタンダードになりそうです。
まとめ
これからの時代は系統主義一辺倒の教育では限界が訪れることが予想されます。
今まで以上に教育に経験主義的な要素を取り入れていく必要があるでしょう。
私の子供は未就学児ですが、今のうちに机上の勉強では得られない様々な経験をさせてあげたいと思います。
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