おはようございます。
私が海外ETFを中心とした資産運用をしていることもあり、最近ではETF投資に関するご質問をいただくことが増えました。
・おすすめのETFは何か?
・アセットアロケーションはどうすべきか?
・ドル転の方法、おすすめの購入方法は?
などが代表的なご質問になります。
しかし、よくよく聞いてみますと、iDeCoやつみたてNISAなどの非課税制度を利用せず、直接海外ETF投資にチャレンジしようとしている方がいらっしゃいます。
確かに、ドルで超優良ETFを買い付け、ドルで配当金を得てドルのまま再投資をすること自体には大きな価値があると思います。
とはいえ、iDeCoやつみたてNISAの非課税メリットを上回るものではありませんから注意が必要です。
iDeCoとつみたてNISAで月5万円の投資を確実に実践しよう
1. 海外ETFと投資信託のパフォーマンス差は小さい
近年、国内で販売されている投資信託の信託報酬が劇的に値下げしており、コスト面におけるETFの優位性は無くなりつつあります。
2017年までは、VTに投資をしたくても、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動する低コストな投資信託が存在せず、直接VTを買い付けるしか方法がありませんでした。
しかし、2017年後半に楽天・バンガード・ファンドが登場してからは、「本家ETFの経費率+0.1296%」という信託報酬で日本円のままバンガード社の低コストETFに相当する商品を買い付けることが可能になりました。
本家VTも楽天VTも同じインデックスへの連動を目指した商品ですので、そのリターンに大差が出るはずがありません。
もちろん、国内の投資信託にはベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)という問題がありますが、運用期間が長くなり純資産総額が増えるにつれて是正されていくでしょう。
極論を言えば、「ETFでも投資信託でもどっちでもよい」世の中になりつつあります。
楽天VTの後、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の登場・成長により、その傾向はますます強くなっていると言えます。
2. iDeCoやつみたてNISAなどの非課税制度の効果は絶大
上述の通り、ETFと投資信託のパフォーマンス差はほぼ気にしなくてよいレベルになっていますので、無理して海外ETF投資に手を出す必要はありません。
一方、iDeCoやつみたてNISAのように、配当や運用益にかかる税金(20.315%)が非課税になるというのは絶大な効果です。
これは非常に大きな差です。
投資信託かETFかというレベルでは片付けられない大きな差があると言えます。
インデックス投資の場合、平均のリターンはせいぜい数%であり、1年や2年で大きく儲けることは不可能です。
20年〜30年かけて大切に育ててきた資産のうち、運用益の20.315%を持っていかれるか否かというのは決定的な差となります。
3. iDeCoとつみたてNISAで月5万円の投資を堅実に行おう
以上の理由から、非課税口座を利用せずにいきなり海外ETF投資に手をだすというのは非効率です。
まずは、iDeCoとつみたてNISAの枠(約5万円前後)を最大限に活用することだけに集中すべきです。
つみたてNISAは年間40万円と上限が決まっていますから、月額約33,000円ですね。
iDeCoの掛け金の上限は職場の年金制度によって異なりますが、12,000円〜23,000円のことが多いです。
iDeCoとつみたてNISAの合計で5万円前後。
まずは何も考えずにこの5万円だけ堅実に積み立て続けることを考えるべきです。
4. 所得が大きい場合はiDeCoを最大限に活用しよう
さて、iDeCoとつみたてNISAのどちらを優先的に利用するかといえば、これは課税所得が大きければ大きいほどiDeCoの効果が高まると言えるでしょう。
掛け金が全額所得控除になるというのはiDeCoだけのメリットです。
絶対に損をしたくなければ、「定期預金型」の商品を選べば節税メリットだけを享受することが可能です。
所得がない専業主婦(主夫)の方などを除いて、どうみても利用しない手はないですね。
ただし、iDeCoは個人型確定拠出「年金」とある通りあくまで年金ですので、60歳までは資金が引き出せません。
このように、資金拘束リスクを伴いますが、毎月の掛け金も上限が決まっていますし、老後に向けた資産形成を目的としたインデックス投資家にとってはたいしたデメリットにはならないでしょう。
一方、つみたてNISAは所得控除のメリットはありませんが、途中で売却が可能であり資金拘束のリスクがありません。
老後まで資金が拘束されるのは心配という方はつみたてNISAから始めましょう。
より万人向けの制度と言えます。
まとめ
ETFか投資信託かというのはさほど大きな問題ではなくなってきています。
一方、非課税枠かそうでないかは将来決定的な差となって現れる可能性があります。
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