神経内科医ちゅり男のブログ

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「責任感」が強い人は認知症の発症リスクが35%低い!逆に、◯◯な人は要注意です・・・

おはようございます。

今週号の週刊ダイヤモンドで、認知症と性格の関連についての記事が紹介されていました。

どうやら「責任感」の強い人は認知症の発症リスクが最大で約35%程度低いようです。

原著論文の内容を含めて、ご紹介致します。

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「責任感」が強い人は認知症の発症リスクが35%低い!?

原著論文はこちらですね。

www.cambridge.org

 

結論は下記になります。

・「誠実さ」を構成する因子のうち、「責任感」が最も認知症に保護的に働き、約35%リスクを低下させた

・「自制心」や「勤勉さ」も認知症発症リスクを低下させた

 

「誠実さ」を構成する要素のうち、どれが最も認知症に保護的に働くかを検討した

「誠実さ」が認知症に対して保護的に働くことが、過去の複数の研究で示唆されています。

そして、「誠実さ」を構成する細かい因子の中には、責任感、自制心、勤勉さなどが含まれることが過去の研究で報告されています。

今回の論文は、米国・フロリダ州立大学のA.R.Sutin氏らが、「誠実さ」を構成する因子のうち、どの因子が認知機能障害に対して最も保護的に働くかについて詳細な検討を行ったものです。

 

50歳以上の者で、6年間の追跡期間中に認知機能検査を1回以上受けた11,181例を調査

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米国に在住する50歳以上の男女を対象としたHealth and Retirement Studyの中から、「誠実さ」の因子測定を完了しており、ベースライン時には正常な認知機能を有する者が対象です。

その中で、最大6年間のフォローアップ期間中に、1回以上認知機能検査を実施した11,181例を分析しています。

フォローアップ期間中における「認知症」発症は278例、「認知症でない認知機能障害(CIND:cognitive impairment not dementia)」発症は2186例でした。

CINDとは、正常と認知症の境界型というイメージですね。

 

認知症のリスクと最も高い相関を示したのは「責任感」であった

本研究の結果、認知症リスクと最も強く、一貫性のある関連が見られたのが「責任感」でした。

責任感の強い人は、認知症発症リスクが約35%低下することが確認されました。

その他では、「自制心」や「勤勉さ」も認知症の保護因子でした。

これら3つの因子は、認知症の遺伝的リスクや他の合併症の有無から独立して、予防的に働くことが示唆されました。

あくまで米国人を対象とした性格調査なので、我々日本人で全く同じ結果があてはまるかは不明ですが、面白い研究結果だと思います。

 

「神経症」傾向が強い人は認知症やうつ病発症のリスクが高い

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「誠実さ」が認知症に対して保護的に働く一方で、「神経症」の傾向が強い人は認知症やうつ病の発症リスクが高いことが知られています。

神経症とは最近では不安障害とも呼ばれ、精神疾患の中で最も頻度の高いもので、人口の10%程度が有するものです。

自分の住む社会にうまく適応ができず、心身に様々な症状が現れます。ストレスに弱い性格の人は、些細なストレス刺激でも神経症になりやすいと言われます。

神経症になりやすい性格としては、

・内向的、理知的、過敏症的な性格

・執着性が強い

・感受性が強い

・欲望が強い

といったものが知られています。

こういった性格が全く無い方は少ないかと思いますが、何事も程度問題ですので、自分はちょっと行きすぎかなと思い当たる節がある方は注意した方がよいかもしれませんね。

 

まとめ

「誠実さ」が認知症発症の保護因子であることが知られています。

今回の研究では、「誠実さ」を構成する細かい因子のうち、

・責任感のある人

・自分の行動をコントロールできる人

・ハードワークな人

は認知症やCIND発症率が低い可能性が高いことが示唆されました。

 

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